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自己破産手続 東京地方裁判所の場合

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自己破産を依頼された場合(東京地方裁判所申立)
 

 受任から免責決定までのおおまかな流れを東京地方裁判所への申立を例にご案内します。

 まず、自己破産の申立を依頼されますと、ご依頼者を債務者として債務者代理人の名義で債権者に対して受任通知というものをFAXや郵送で送ります。この受任通知は、債務整理の依頼を受けたこと及び債権の届け出を依頼する通知ですが、ご依頼者の方へ取立や直接的な通知を止める効果もあります。
 従いまして、早く受任通知を発送することがご依頼者の方のためになるため、借金の整理の方針が自己破産と決まってなくても、債務整理のご依頼の場合には極力早く受任通知を発送するように対応しています。
 また、ご依頼の段階では負債が生じた理由の大筋は確認させて戴きますが、詳細な事情は破産申立手続のための打ち合わせの際に確認させて戴ければ足ります。

 その後、弁護士がご依頼者の方の申立代理人となって、裁判所に破産手続の申立を行うことになりますが、申立の時期はケースによります。お急ぎの場合は、債権者からの債権届出が揃うのを待たずに申し立てることもありますし、手続費用の工面に時間がかかるときなどは、相当期間を置いて申し立てることもあります。極論させて戴ければ、ご依頼者の事情に応じて申立時期を決めることになります。
 
 申立時期にあわせて打ち合わせを行います。ここで負債の生じた詳細な経緯をうかがい、申立の支障となる事由の有無なども確認致します。また、「同時廃止手続」で申し立てるか「管財手続」で申し立てるかの最終判断を行います。ここで、「同時廃止手続」と「管財手続」について簡単にご説明致します。
 本来、破産手続においては、裁判所は、破産手続開始決定と同時に破産管財人を選任し、破産者の財産を調査・管理させて、換金可能な財産があるときはそれを換金して債権者に配当させます。しかしながら、債務者が破産手続を進めるのに必要な費用や費用に代わるだけの財産も有していない場合には、破産管財人の選任を行わず、破産手続開始と同時に破産手続を終了させる決定(同時廃止決定)をします。破産管財人を選任する場合を「管財手続」、選任しない場合を「同時廃止手続」と称しています。

 東京地方裁判所の場合、破産手続の申立後「即日面接」を裁判官と申立代理人との間で行います。負債の原因や状況を口頭で説明し、「同時廃止手続」で良いか「管財手続」とするか判断を受けることになります。また、免責の審尋期日や債権者集会の期日(候補日)を決めます。
 この「即日面接」は、「即日」とあるように申立書類を提出後、速やかに面接することもできますし、申立後から3日後でも可能です。
 「同時廃止手続」の場合、即日面接を行った日が破産手続開始決定日(廃止決定日)となります。「管財手続」の場合は、即日面接を行った翌週の水曜日が破産手続開始決定日となります。

 東京地方裁判所における「同時廃止手続」においては、免責の審尋期日は破産手続開始決定日の2ヶ月後くらいに指定されます。東京地方裁判所は、審尋期日を火曜日に開いています。
 「管財手続」の場合、東京地方裁判所では、3ヶ月後くらいに債権者集会が開き、併せて免責の審尋も行われます。
 ここで「免責の審尋」について説明致します。負債のある人が破産してもそれだけでは債務を免れません。免責の決定があって(厳密には免責の決定が確定して)はじめて法的に負債の支払義務が無くなります。
 免責は債権者からみれば、言葉は悪いですが借金の踏み倒しですから、どんな債務者にも認める、という訳にはいきません。免責不許可事由がある場合は、免責を決定しないことがあります。不許可事由の代表的な事由としては、負債の原因がギャンブルだったり、浪費だったりした場合ですね。但し、破産まで至る人の場合、多少の浪費があることは珍しくありません。なのでその場合は、破産管財人が免責が相当がどうかの判断を行い、審尋期日に意見を述べます。裁判所は、その意見を参考にして免責決定を出すかどうか判断します。ここからお分かりと思いますが、財産が無くても免責不許可事由がある場合は、「同時廃止手続」ではなく「管財手続」となります。
 話が多少ずれましたが、「同時廃止手続」の場合は、破産者ご本人が、免責の審尋期日に出頭して、免責の審査を受けることになります。実際は、既に申立書や即日面接の際に事情を裁判所に説明しておりますので、債権者の出席とか特別の事情が無い限り、免責の審尋期日は破産者の出頭確認程度しか行いません。
 「管財手続」の場合は、債権者集会と併せて免責の審尋が行われます。こちらも破産者ご本人の出頭が必要となります。
 そして、免責が認められる場合は、いずれも免責の審尋後、1週間程度で免責の決定され、決定書が申立代理人宛に郵送されてきます。

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